看護師兼ライターゆみかおるの日記

フリーランスで働く看護師。あっ!と思ったこと、ほぼ直感でつらつら書くブログ。

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看護師として震災を経験して感じたこと!地震前や直後に行うこととは

  

つい先日地震速報の誤報があったかと思いきや、夜中には震度4レベルの揺れ(都内)があったりと…

震災の記憶が薄れてくるころに、こうしたことが時折起こるような気がします。

 

決して忘れてはならないことだと、忠告されているようですね…。  

 

こんにちは!看護師のゆみかおるです! 

 

実は、私も東日本大震災のとき、被災地域の病院で働いていました。

震度5強~6弱地震を経験しています。

 

そのことから、看護師という仕事である以上、これだけは知っておいてほしいことをまとめました。

 

地震が起きてからマニュアルを引っ張り出すのでは、遅すぎる…!!

常日頃から注意して意識付けすることが大切だと思います。

 

 

震災時、職場はどのような状況だったか

地震発生時の状況

白い枕とベッド

この日の私は準夜勤の予定でした。

ちょうど14:30くらいにお昼寝から覚めて、シャワーでも浴びて出勤準備をしようと思っていたところ…。

 

ベッドから振り落とされてしまいそうな強い横揺れを感じ、ベッドにしがみついていたのを覚えています。

本棚にあった本や置物もバタバタと落ちてしまうほどの揺れ。

 

すぐに「いつもと違う!」と判断してから、近くにあった窓を開け、ベランダから外へ出られるようにしました。(1階だったので)

今思えば、これは自分自身の安全確保、安全確認ですね。

 

それからテレビをつけて、地震の情報を確認。

震度5強であったことがわかりました。(のちに6弱だったかも?)

 

私がいたところは災害拠点病院でもあり、震度5以上の場合には休みでも病院へ行かなければなりませんでした。

しかも、夜勤でもあったので、すぐに準備をして病棟へ向かうことに…。

 

地震発生直後の状況

病棟に着くとみんな忙しなく、バタバタ。

ちょうど、私がいた病棟は建物が古いこともあり、動ける患者さんは体育館へ避難していました。

それでも、動けない患者さん(重症管理中や感染部屋など)のところでは看護師や医師がつきっきりになっていて、余震に備えている状況。

 

ひとまず、日勤のフォローと避難の手伝いをしながらも、自分自身は夜勤でもあったので師長と相談し、勤務時間からは夜勤の通常業務を行うことに。

 

さらに、今後も強い余震が続く可能性があり、翌日勤務が休みであるスタッフが2人、泊まりで有事の際には対応してくれることになりました。

 

地震発生から数時間後の状況

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日勤スタッフは避難解除されてから患者さんの移動を手伝ったり、残りの業務や記録などがあり、普段よりも残業していたと思います。

患者さんの避難が解除され病室に戻ってきてから、ようやく少し落ち着きが出てきました。

 

そのなかで、実は二次的な被害が周りでは起こっていました。

市内の一部では停電と断水により、復旧までに数日かかる可能性があるとされていたのです。

病院自体は停電にはなっておらず、断水に関しては井戸水のくみ上げを一部利用していたので、大きな問題はなかったとのことでした。

 

ここで問題となったのは、在宅で人工呼吸器や吸引器を使用している人たち。

このままでは家でみられないということで、病院へ連絡が来ていました。

 

人数としては私がいた病棟だけでも3、4人だったと思います。

ほかの成人病棟でも、事故の怪我などよりも停電による緊急避難のための入院が多かったようです。

 

そのことで、さらに受け持ちが増え業務を圧迫。

満床で入りきれなかった人は、ナースステーションの空きスペースで泊まっていました。

 

夜中も震度5前後の余震は続き、そのたびに全室見回りをするなど、普段とは違った忙しい夜勤。

1時が定時上がりでしたが、珍しく4時頃まで残っていました。

 

地震発生から翌朝~数日間の状況

翌朝、一部のスタッフが住んでいる地域周辺の道路が陥没、通行止めになっているせいで、出勤できない人がいました。

そのため、シフトを交換して対応することも。

 

また、寮の水道も2日間くらい止まってしまっていたので、病院から支給されたペットボトルの水を使っていました。

 

地震発生から数日間余震も続き、そのたびにバタバタ動きまわる。

ほかにも常に揺れているような感覚になったり、自宅の壁にひびが入り住めなくなり、当直室に泊まり込んでいたスタッフもいて、働く看護師やスタッフもかなり疲弊していました。

 

新しい病院での防災対策は曖昧だった

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私が最初にいた病院では年に1、2回災害訓練があり、地震や火災に備えて取り組みをしていましたし、マニュアルがしっかりとありました。

なので、どこに防災グッズがあるか、どのように行動するかが明確に。

それでも震災のときには不十分なところがあったと、チェックリストが改定されたりしていました。

 

しかし、転職後に働いた病院ではそのような取り組みはほとんどなく、マニュアルも紙切れ同然の扱い。

その危険を肌で感じたのは、実際に震度5レベルの地震があったときでした。

 

地震直後にどうしたらいいかわからないスタッフが多かった

そのときも、病棟で夜勤(看護師4人)をしていたのですが…

地震だ!」と気づいた瞬間に、

重症管理部屋みてきます!

とリーダーに報告するも、みんなどうしたらいいかわからず…といった感じでした。

 

部屋をまわるといっても、ただ患者さんがいるか見てまわっただけの後輩や、ずっとテレビの情報やマニュアルをみている同僚。

そうしたことが、何度かありました。

 

呆れてしまったと同時に…もし、私も震災を経験していなかったら、同じようになっていたかもしれないと思いました。

それから、本来は医療安全委員としての仕事ではないのですが、看護師の防災対策の重要性について勉強会を開くことになりました。

 

そのときにまとめた内容を元に、看護師がするべきことを説明していきます。

 

地震前に日常でできることとは

まずは防災グッズの点検、訓練で備える

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とても残念なことに、

ヘルメットってどこにあったっけ?

っていうレベルの人もいます。

最低限防災グッズの場所の把握・定期点検はするべきだと思いました。

↓自分用にはこういうタイプもあります!

 

私がいたところでは、ナースステーション内の奥の棚に置いてあったので、これじゃ誰も気づかないよなと思い、ナースステーションのメインテーブルの下の棚に入れました。

 

そして、日勤の業務終わりに物品点検をするのですが、そのついでに防災グッズの点検も入れました。

時間としては数秒で終わるので、そこまで負担にならなかったと思います。

 

また、できれば防災訓練のシミュレーションを病棟ごとにしてほしいということです。

BLSなどと同じように、頭ではなんとなくわかっていても、実際に起こったときというのは気が動転したり、焦りが出てしまって正確な判断ができなくなってしまう可能性があります。

 

それでも、日ごろからシミュレーションしておけば、焦っていても最低限のことはできるようになると思います。

急変時もそうですが、地震発生時の役割分担や連携でもたつくことも多いので、とても重要なことです。

 

整理整頓をして落下物の予防

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よくあるのは、棚の上のほうまで物品でいっぱいということです。

特に上のほうに重さのある機器を乗せていたり、鋭利な医療器具などを置いておくと、地震発生時に落下して怪我をする危険が高いです。

 

重さのあるものや、金属などの鋭利な者は下に置くこと。

このように物品の置き場所をきちんと考えることと、なんでもかんでも積み重ねて置かずに、すぐに使用しないものは倉庫で保管するなど、整理する必要があります。

 

また、落下で特に怖いのはセントラルモニター。

意外と不安定で地震のときに揺れて落ちそうになることも。

◯◯万円とかなり高額なので、真っ先に死守する看護師もいますね(笑)

 

ストッパーをかけて勝手に動くのを防ぐ

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実際の地震のときに、とても危険だと感じたのはこれです。

ベッドやカート、点滴棒、医療機器などのストッパー。

つい移動のときにかけ忘れてしまい、地震のときにぐらぐら動いてぶつかってしまう、倒れてしまうということがありました。

 

離れるときは、ストッパーをかける癖を日ごろからつけておくことが必要です。

また、ストッパーをかけていても、地震では揺れてしまうことがあるので、車輪の向きをすべてバラバラにするなどの工夫もあります。

 

非常用電源の確認をしてバッテリー切れを防ぐ

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これは日ごろから気を付けている人が多いと思いますが、人工呼吸器などの電源は非常用電源に差し込むようにします。

非常用電源には赤や緑など、切り替えにどのくらい時差があるかで種類が分かれていると思います。

 

数に限りがあるので、命に直結するものから優先的に使用するべきです。

 

さらに、バッテリーを充電できるもの(輸液ポンプなど)は日ごろから充電しておくことで、いざとなったときでもすぐに使用できます。


地震直後に看護師が行うことは?

まず自分の安全確保

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自分の安全を確認してからでないと、意味がありません。

窓側から離れる、身を低くする、ヘルメットをかぶる、針を取り扱っているときは、針捨てボックスに入れるなど。

 

意外となにか処置をやっている途中という場面も多いのですが、まずは慌てずにその動作は一旦ストップする、元に戻すなどしましょう。

無理に処置を進めることはしないでください。

 

患者家族の安全確保、確認

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自分の安全を確認したら、近い人から重症者の確認していきます。

この辺りはスタッフと声を掛け合い、役割分担です。

患者さんの状態変化がないか以外にも、全体の状況確認。

 

揺れによって挿管チューブの固定がずれていたり、接続部が外れてしまうことがあります。

ほかにも、酸素配管、医療機器が正常に作動しているか、電源は非常用になっているか。

部屋の入口のドアは普段から有事に備えて開けてあることが多いですが、避難口の確保も同時に行います。

 

その後、各部屋まわり。

患者さんの状態を確認しながら、家族含め落ち着かせるように声をかけていきます。

 

患者さんも家族も不安でいっぱいで慌てる気持もわかるのですが、いろいろ声をかけられたりすることがあり、そこはうまく切り抜けてください(笑)

 

同時に医療機器が正常に作動しているか、避難経路としてドアを開けておくことも。

怖いのは、安静度がある患者さんがびっくりして動いてしまい、創部から出血、転倒・転落などということも考えられます。

病室は全部まわったけど、実はトイレのなかでうずくまっていた患者さんもいました…。

 

情報をまとめて報告

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テレビやインターネットなどの情報から地震の状況、周辺の被害状況などを把握、今後考えられる動きを想定しておくことが必要です。

 

同時に安全確認の状況をリーダー看護師や管理職へ報告します。

病院によってマニュアル等があり、チェックリストや報告書など記載するところが多いかもしれません。

地震の状況によっては、避難するパターンや、緊急入院の受け入れ準備、職員の確保などやることはたくさん出てきます。

 

この辺り、私のようなペーペー看護師は上に指示を仰ぐくらいしかできませんが(笑)

夜勤時などの人数が少ない場合には、夜間当直師長への報告や連携で自分が動かなくてはならないこともあります。

 

※ここに書かれている流れは、私がいた病棟のマニュアルを参考にしたものです。部署によっての違いもあります。まずは、自分がいる職場のマニュアルややり方に沿って行ってください。

   

看護師として働いているとよくある、地震に気づかないパターン

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普段からナースステーションや病室を動きまわっているせいか、震度3くらいじゃ全然気づかないってことがあります(笑)

 

あとで患者さんから

さっき地震あったよね?

などと言われて気づくことも。

こうした場合でも、患者さんの安全確認は気を付けたほうがいいです。

 

ベッド上で寝ている患者さんにとっては、震度3でもかなり揺れを感じることもあるので、先ほどのようにびっくりして動いて転倒してしまうことも考えられます。

 

実際には、なにもないことのほうが多いと思いますが、もしかしたらと考えて行動できるようにしましょう。

 

看護師として防災意識を持って行動

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私はたまたま震災でいろいろと経験したので、地震が怖いなと感じることができ、防災訓練などもきちんとやらなくちゃと思うようになりました。

しかし、実際に震災とは関係なかった地域の看護師は、他人事のように感じてしまっている人もいるのではないでしょうか。

私も人のことは言えなかったかもしれません。 

 

 

そんな看護師である私たちが、今できることはなんなのか…。

 

「備えあれば憂いなし」

中国の書経にある「有備無患」(備えあれば患いなしと書くことも)という言葉が元のようです。


一番大切なのは常日頃から防災に関心を持ち、準備をしておくこと。

この言葉に尽きると思います。

 

明日からぜひ、意識付けをして行動してください!

  

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報告の仕方で悩んでいる人はこちら! 

www.yumikaorururu.com