こんにちは!看護師兼ライターの白石弓夏(しらいしゆみか@yumika_shi)です!
最近、私の会話や記事って抽象的な言い回し多いな~と思って、より具体的な言い回しを意識するようにしていたのですが…
Twitterやいろんな人のブログを読むなかで、気になった言葉があります。
それは、
「抽象度を上げる」
「抽象度が高い」
というもの。
より具体的に~と思っていたのに、抽象度を上げるってどうゆうことやねん!?と心なかでツッコミました(笑)
抽象的な言葉の「抽象的」は、「具体的」の反対語という意味で捉えていましたが、はたして「抽象度」とは…?
調べてみると、認知科学者の苫米地英人氏が広めた造語として出てきました。
その界隈あまり詳しくないので、 「あ、バラいろダンディの人だ」という感覚の私(笑)
そのなかでいろいろ読んでみると、看護師としてもこうした抽象度を上げる考え方って必要だよな~と頷くことが多く、むしろ
アセスメントができなくて~
看護師として視野を広げたい!
と悩んでいるけど、どうしたらいいかわからない人に知ってほしい。
(私自身もそうなんですがね)
そして、看護師や看護学生のみなさん、抽象度を上げる訓練に似たものを、実はやっているの気づいていますか…?
みなさんが嫌いなアレですアレ!(笑)
私なりに抽象度について理解したなかで、看護師として使えそうな考え方について、ヒントとなるものをまとめてみました!
抽象度を上げるとはどういうことか
「抽象度」とは物事を広く捉え、どれだけ潜在的な情報も含まれているかという度合いを現したものです。
たとえば、どこかの家で飼っているシロという犬で例えると…
シロという概念から抽象度を上げていく(カテゴリーの範囲を広げていく)と犬になり、犬は哺乳類の一種で、哺乳類は動物の一種…とどんどん広くなっていきます。
ただの連想ゲームではなく、前にあるものを包括して抽象度を上げていくというのがポイントです。
これを、シロと認識するよりも、動物として認識する方が抽象度が高い考え方ということになります。
また、抽象度を上げるためには関連する知識や経験がないと広がりません。
犬が哺乳類だということを知らなければ、そこで止まってしまうからです。
なんとなく、大きな視点でみてみるということはわかりましたか?
では、抽象度を上げることが看護師として働く上で、なにか関係あるのか?というと、実はいろいろな場面で関係してくるのです。
私の働き方で解説してみましょう!
私の働き方は知らない間に抽象度を上げていた?
私は看護師として病院で約9年間働いてきましたが、転職を何度かして、現在は派遣で病院以外のさまざまな場所で働いています。
いまの働き方になったのは、
- 単純に病院外の世界を知りたい
- 看護師の働き方の可能性にワクワクしていた
- 腰痛悪化して病院で働けなくなった
というタイミングが重なったことと、ほぼ直感で決めたことです。
先ほどの「抽象度が高い、低い」の概念で考えてみると、新卒で働いていたときの私は看護師は病院で働くのが当たり前という抽象度の低い考えでした。
自分がいた病院以外のことや、病院にもリハビリ専門病院などの種類がたくさんあることはほとんど知らなかったのです。
しかし、上の図のように転職をしたり、派遣の登録を通してさまざまなクリニックや老健施設、学校関連、ライターとして働くようになり、看護師の働き方の幅広さに驚きました。
たぶん、未だに知らない働き方はいっぱいあると思います。
いまの私の働き方は、知らない間に抽象度を上げるための知識や情報を増やしていたのです。
ポイントなのは、抽象度が高いから良い、低いから悪いということではなく、高いところから低いところまで、全体を網羅できるかということなのだと思います。
どこか一部分のなかだけでは、昔の病院だけしか知らなかった私のように、考え方に偏りが出てしまうかもしれません。
本質的な部分がわかりにくくなってしまうのも、抽象度が低いことが関係してきそうです。
よく、私が看護師を辞めるとすれば、看護師として働ける場所全部やってみて私にはダメだったときだと思っていて…
病院での働き方が合わなかっただけで、看護師辞めようとは思わないし、看護師はあらゆるところで働けるのが最大の強みだと感じています。
どうせなら、いろいろな場所のことを知りたいのです…!
(いまは迷走中ですが笑)
こうした視野を広げるとか視点を変えてとかよくいわれていますが、実際にはこの抽象度を上げるという考え方が一番納得しました。
ここからは、さらに具体的にどうすればいいの?ということですよね。
そんなときに、抽象度を上げることを意識して日ごろから訓練してみると、働き方が変わってくると思います…!
抽象度を上げるためのヒント
抽象度上げる訓練
抽象度を意図的に上げるには、少し訓練が必要なようです。
訓練に使う題材はいろいろあって、何か目の前にある物や自分のもやもやした悩みでもいいかもしれません。
そこから抽象度の低い(具体的)ものと抽象度の高い(抽象的)ものとをカテゴリー分けして書き出してみてください。
たとえば、こんな感じ。
「疲れをとりたい」という、漠然とした悩みがあったとします。
さまざまな視点からの考え方があると思いますが、私の「疲れ」ってなんだろう?というところから入ってみました。
抽象度を上げる訓練のなかでは、「なぜだろう?」と疑問に思うことも重要で、なぜ?と考えた先には本質的な部分がみえてくるからです。
上の図は、全部入りきらなかったので、簡単なまとめですが、「疲れをとりたい」からいろいろな側面が見えてくることがわかります。
疲れの根本の部分の改善と、疲れの対処法などなど…
身体的疲労と精神的疲労と分けたけど、エステやマッサージはどちらにとっても対処法であるカテゴリーとして出てきました。
実は看護師や看護学生はアセスメントを磨く、視野を広げる訓練をしていた?
さて、看護師や看護学生のみなさん。
冒頭でもお話しましたが、抽象度を上げるための訓練のやり方、上の図はなにか見覚えありませんでしたか?
…ありますよね??(圧力)
そう、看護過程の関連図です!(笑)
関連図も元をたどれば「糖尿病」という疾患からより具体的に症状や治療法などとカテゴリー分けされていきますよね。
考え方としてはとても近い部分があると思います。
学生のときは意味わからなすぎて、嫌いな人も多いと思いますが、やっぱり本質を掴むコツとして意味があるんですね(笑)
しかし、看護学生や看護師の大変なところは、抽象度を上げるために、日々勉強や学びは欠かせないということ。
そうでないと、患者さんの体のなかでなにが起きているのかがわかりません。
ここが一番踏ん張りどころですよね。
こうした抽象度を上げる訓練と、知識を増やしていくと、わざわざ書き出さなくても、考えが抽象度の低いものから高いものまで、頭のなかで広がっていく感じがあります。
それは、さまざまな場面でメリットにもなるのです!
抽象度が高い看護師はどんなメリットがある?
目的や軸がぶれずに、小さなことで悩まなくなる
抽象度が低い考えばかりになると、
「コメディカルが~」
「医師が~」
とグチグチ言っている人と同じレベルで狭い範囲での話になります。
でも、コメディカルや医師も同じ病棟のスタッフ、さらに同じ病院のスタッフ、同じ医療職者として考えれば、患者さんの健康、生活のために働いているというところではみんな一緒なんです。
そんな小さなところで、いざこざやっている場合ではないと気づくこともできます。
メタ思考やマインドフルネスにも通ずるところがあるのかなと個人的には思っています。
(現時点ではそんなに詳しくないので、今後勉強していきたいです)
↓私が読みたい本
アセスメントや問題解決能力が高まる
たとえば、友達に
「今度旅行に行くんだけど、どこがいいかな?」
と聞かれたときに、抽象度の低い答えだと
「北海道がいいよ!(自分が好きな場所)」
だけで終了してしまいます。
かなり自己中な考えのようにもみえますよね?
抽象度を上げて考えてみると、
- 旅行といっても国内なのか、海外なのか
- 誰となんの目的で行くのか
- 今度って今月なのか数か月後なのか
などと、相手の考えていること、潜在的な問題を予測して相談に乗ることができようになります。
その方が、相手も親身に相談に乗ってもらえたと思いませんか…?
これって、友達だけではなく、看護師として患者さんの受け答えとしても通ずるものがたくさんあります。
「もう死にたい」
「帰りたい」
と患者さんからの言葉だけに反応するのではなく、抽象度を上げてその言葉の本質的な部分ってなんだろうと考えてみるのは、看護師にも必要なことなのです。
患者さんの言葉に気持ちが左右されたり、返答に困るということが減るかもしれません。
本質がわかれば応用が利く
自分の周りで起こっていることに関して、抽象度を上げて考えることで、相手の意図することや本質がわかってきます。
すると、
「転職で年収アップ!」
「美容外科クリニックで稼ぐ!」
という小手先の話に踊らされることなく、なぜそんなことが起こるのか、抽象度を低いところから高いところまで考えてみると、いろいろ見えてくるものがあるはずです。
看護師で稼ぐことでいえば、それぞれ裏がきちんとあって、その部分を理解しないでいると、うまくいきません。
もし本質的なところがわかれば、看護師の仕事だけではなく、他の働き方やビジネスにも応用することもできます。
頭のいい人といわれるのは、自然とこうした考えが身についているか、意図的に考えるようにしているのでしょうね…!
まとめ
抽象度を上げる話をしていたはずなのに、まさか関連図が出てくるとは思いませんでした(笑)
この記事を読んでくれたピュアな看護学生さんは、ちょっとでも関連図を楽しくできたら嬉しいです…!
いままで看護師としてのアセスメントを磨くとか、視野を広げるという表現では、実際にはどうしたらいいのかわからないという人もいたと思います。
私ももちろんそうでした。
しかし、この抽象度を上げるやり方で頭の中を整理していくと、仕事だけではなく、生活面でも過ごしやすくなるのではないでしょうか?
看護師としてアセスメントを磨く、視野を広げるきっかけに!
それ以外でも、もやもやしている人に、違う視点を持ってもらうきっかけとしても活用してもらいたいと思います!
そんなもやもやしている看護師、自分たちで働き方を考えて行動するための集まりを考えました!
詳しくはこの記事から読んでみてください(/・ω・)/
看護師のいろんな働き方はこちら~!
それでは~!